機能別・詳細解説
音量調整のRMS・ピーク・スコアと出力形式
基本操作ガイドで説明しているファイル追加・調整・保存から一歩進み、表示される音量指標を読み、モードとプリセットを選び、音割れを避けて出力形式を決める方法を説明します。
1. 表示値の意味を分ける
RMSは平均、ピークは瞬間的な最大値
ファイル追加後の一覧にはRMS、ピーク、スコアが表示されます。RMSは音声全体の平均的な音量感を考える目安、ピークは瞬間的な最大値を確認するための目安です。どちらもdBFSで表示され、0 dBFSを超える値はデジタル音声で音割れが起きやすい状態です。
ピーク
スコア
100基準スコアの考え方
実装ではRMSの基準値を-20 dBFSとして、概ね次の式でスコアを計算します。
スコア ≒ 100 + (RMS dBFS − (-20))
たとえばRMSが-25 dBFSなら約95、-15 dBFSなら約105です。実際の値は丸め処理が入るため、スコアは音圧の絶対評価ではなく、同じツール内で比較するために使います。
2. 目的に合う補正を選ぶ
「上げ下げ」と「そろえる」は補正の考え方が違う
音量を上げ下げ
すべてのファイルへ同じ補正値を適用します。スコア100なら補正0 dB、105なら約+5 dB、95なら約-5 dBです。
元ファイル同士の音量差は残るため、全体を少し上げる・下げる用途に向いています。
音量をそろえる
ファイルごとの現在スコアと目標スコアの差を補正します。異なる音量の録音を同じ目標へ寄せる用途に向いています。
RMSが近づいても、ノイズ・周波数・音の密度により同じように聞こえるとは限りません。
| やりたいこと | モード | 最初に見る値 |
|---|---|---|
| 全ファイルを少しだけ大きくする | 音量を上げ下げ | 調整後ピーク |
| 会議録音の音量差を減らす | 音量をそろえる | 各ファイルのRMSと目標スコア |
| BGMを少し存在感のある音量へ | プリセットまたは音量をそろえる | 予測ピークと実際の再生 |
3. 用途の目安から始める
プリセットはモードと目標スコアをまとめて選ぶ
プリセットを選ぶと「音量をそろえる」モードへ切り替わり、用途に合わせた目標値が設定されます。必要な場合は、その後に目標スコアを調整します。
| プリセット | 目標 | 使い始めるときの考え方 |
|---|---|---|
| 会議録音をそろえる | 100 | 標準の目安から確認する |
| BGMをそろえる | 105 | 少し大きめ。ピーク警告を優先して確認する |
| SNS動画用に控えめ | 95 | 音割れリスクを抑えたいときの出発点 |
4. 大きくする前に確認する
予測ピークが0 dBFSを超えないようにする
音量を上げる補正では、元のピークへ補正値を加えた予測ピークが表示されます。予測ピークが0 dBFSを超える行には音割れ注意が表示されるため、スコアを下げるか、ファイルごとの補正が小さくなる「音量をそろえる」モードを検討します。
予測ピークが0未満
0 dBFSに近い
0 dBFSを超える予測
本ツールの予測値は処理前の解析値をもとにした目安です。エンコードや再生環境で聞こえ方が変わるため、警告がない場合も公開前に再生確認を行います。
5. 保存先に合わせる
WAVとMP3は目的と容量で選ぶ
WAV(16bit PCM)
- 非圧縮で編集ソフトへ渡しやすい
- 再編集用の元に近い出力を残したいとき
- 1ファイル100MB、30分、20件、合計500MBまで
MP3(CBR)
- 容量を抑えて共有しやすい
- 128 / 192 / 256 kbpsから選択
- 1ファイル50MB、15分、10件、合計250MBまで
| 優先すること | 選択の目安 | 確認点 |
|---|---|---|
| 容量と互換性 | MP3 128 kbps | 細かい音の変化と容量を確認 |
| バランス | MP3 192 kbps | 共有用の初期候補 |
| 圧縮を抑える | MP3 256 kbpsまたはWAV | 用途側の対応形式と容量上限 |
6. 実ファイルで確定する
予測値と書き出し結果を分けて確認する
- 1出力前にモード、目標スコア、予測RMS、予測ピークを確認する。
- 2音割れ注意の行があれば、スコアまたはモードを見直す。
- 3WAV・MP3とビットレートが用途に合うかを確認する。
- 4個別保存・まとめて保存・ZIP保存から必要な方法を選ぶ。
- 5書き出し後のファイルを再生し、聞こえ方・音割れ・ファイル名を確認する。
音量を調整して結果を確認する
処理はブラウザ内で行われ、元ファイルは変更されません。
音声音量調整を開く