
✓この記事でわかること
- 1生成環境・形式・保存経路によって、プロンプトや生成条件がファイルに残る場合がある
- 2プラットフォーム名だけで判断せず、公開する実ファイルを読み直して確認する
- 3削除後も再確認し、画像内容・ファイル名・共有先の情報は別に点検する
AI画像のプロンプトが読めるかは、画像の見た目だけでは決まりません。生成ツール・保存形式・再保存の方法によって、ファイルに文字列が残る場合と残らない場合があります。公開するファイルに何が入っているかを確認し、残す項目と削除する項目を決めます。
1. 保存された文字列と、画像からの推定を分ける
AUTOMATIC1111の公式Wikiは、生成条件をPNGのテキストチャンクへ記録する機能を説明しています。PNGの規格にはtEXt・iTXt・zTXtというテキストの格納場所があり、項目名と本文を持ちます。すべてのAI画像に、すべての生成条件が入るという意味ではありません。
例えば「parameters」にプロンプトとSeedが残っていれば、その文字列を読むことができます。JPEGではEXIFのUserCommentやImageDescriptionなど、PNGとは別の場所を調べます。画像から被写体や作風を推定する処理とは別であり、保存された文字列も後から変更できるため、生成履歴の真正性を証明するものではありません。
2. 1枚のPNGで削除する範囲を決める
次は説明用に作成した4×3pxのPNGです。実際のAI生成物や案件情報ではなく、単色の画像へ架空の文字列を付けた素材です。PNGの項目別削除関数でparametersを指定し、処理前後のチャンクを独立確認しました。
parameters:削除対象
a blue cube
Negative prompt: blurry
Steps: 20, Sampler: Euler, CFG scale: 7, Seed: 12345
1つの項目に複数の生成条件が入っています。parametersを削除すると、この本文全体を除去します。Seedだけを本文から消す操作とは異なります。
Title・ProjectMemo:この処理では保持
Title = Practice cube
ProjectMemo = sample-project-A
parametersだけを指定した処理後も、この2項目は残りました。プロンプトを消したことと、ファイル内の全情報を消したことは別です。
この入力では処理前後のIDAT(圧縮された画像データ)も一致しました。これは項目別のPNGチャンク除去を確認した結果で、ブラウザで保存したファイルの検証や、JPEG・WebPを含む全形式の画質比較ではありません。
3. 削除後の保存ファイルを読み直す
- 公開予定の元ファイルを読み、項目名と本文を確認します。カテゴリ分類だけでなく、実際の保存文字列を見ます。
- 削除する項目を選び、別名で保存します。残したい作者名やライセンス・来歴情報まで消さないよう、選択範囲を確認します。
- 保存した新しいファイルを再投入し、削除対象が消えたか、保持対象が残ったかを見ます。処理前のカードを見続けるだけでは再確認になりません。
- 共有先が変換する場合は、相手が取得できる画像ファイルも確認します。サービス名だけで自動削除の有無を決めません。
「対応範囲に情報を検出しなかった」「形式・格納方法が未対応」「解析に失敗した」は区別します。未対応や失敗を、情報が存在しないという結果に読み替えないでください。PNGでも圧縮テキストや別のメタデータ領域があり、画面にプロンプトが出ないことだけで全情報の不存在を断定できません。
管理ツールではPNGの項目別削除、JPEGのプリセットによるEXIF・XMP等の削除、WebPの再描画が異なる処理です。PNGの特定項目を除去した結果を、他形式の全情報削除や無劣化の保証へ広げません。
保存項目を確認してメタデータを整理する
項目名と本文を読み、公開するファイルから何を削除し、何を保持するかを選びます。保存したファイルを読み直して結果を確認してください。
4. メタデータ削除と利用条件の確認は別に行う
非公開の案件名が文字列に残る場合は、その項目を公開するか判断します。一方、作者名・利用条件・来歴を残す必要がある場合は、削除前に配布条件や契約を確認します。モデル名や作者名を一律に消すことを推奨するものではありません。
メタデータを削除しても、画像に写る名前・顔・住所は消えません。また、生成物の権利や利用規約を確認したことにもなりません。画像自体と利用条件は、それぞれの資料を確認して別に判断します。
制作記録は公開画像と別に保管できます。例えば架空の案件sample-project-Aなら、保管用テキストにプロンプト・モデルの版・Seed・寸法・Sampler・Steps・CFG・修正履歴と、利用条件を確認したURL・日付を記録し、配布用フォルダには公開画像だけを入れます。Seedとモデル名だけで同一画像を再現できる保証はありません。記録ファイルを配布ZIPへ混ぜないよう、保存先を分けます。
C2PAのContent Credentialsは、署名された来歴情報を検証する仕組みで、文章のPromptとは異なります。当ツールのC2PA表示は、JPEG内の関連文字列を探す簡易検出で、署名や証明書を検証していません。「あり」を真正性や権利の証明として扱わず、残す必要がある場合は対応する検証環境でも確認します。広範囲削除ではJPEGの対応セグメントを除去するため、公開先で必要な来歴情報まで失わないかを先に判断します。
